エイジング
革製品を使うことの楽しみの一つ、エイジング。
本製品がどのような変化をしていくのか、追っていきます。
出来上がった靴を毎日履いて、皆さんより一足お先に、コーディネイトやエイジングを楽しんでいます。クロップド丈のパンツに、カラフルなソックスを見せれば、足元は一層引き立ちますし、ワイドなパンツを地面すれすれの丈で履いてみても、つま先に存在感があるので、足元が小さく見えません。また、横からみたフォルムが、今まで見たこともないような面白い形をしています。つま先の大きさと、履き口のカバーが靴を大きく見せるので、甲の辺りがくびれて見えます。滑稽でいて、美しく、まるで生き物のような有機的なラインが、今まで見たこともない足元を演出してくれます。
選んでいただく革にもよりますが、エイジングにも期待が持てそうです。私の靴はアラスカという革を使用していますが、つま先の段差のあるデザイン箇所が擦れ、その部分がわずかに濃くなってきています。この辺り、革靴を履く(育てる)醍醐味とを存分に楽しめる靴となったなと実感しています。ソールの製法に関しても、マッケイ、ハンドソーン、ノルヴェジェーゼと、お好みでカスタマイズできますので、履き手それぞれのライフスタイルに合わせた“THE MUSIC”をお楽しみいただければと思います。
靴作家・森田圭一